歳をとったら痩せすぎ注意!サルコペニアの特徴や対策2つを紹介

健康

「最近、私のお父さんお母さん(おじいちゃんおばあちゃん)がやせてきたなぁ…」

そんなことを思うことはありませんか?

もしかしたら、その状態は「サルコペニア」かもしれません

サルコペニアは、加齢に伴って筋肉量が減少した状態のことをいいます

そのため疲れやすく、転びやすい体になっていて、病気になりやすい状態です

「私の身近な人に限ってそんなことは…」と思うかもしれません

しかし、一般高齢者の10人に1人、もしくはそれ以上の確率でサルコペニアである高齢者がいます

歳をとってもいきいきと暮らしていくために、とても大事なからだ…

これを阻害するサルコペニアとはなにか?そしてこれから何をすればよいのか?

この記事で簡潔にまとめてみたいと思います

この記事はこんな方におすすめ!

  • 老後の健康が気になる
  • 身の回りのご高齢の方で痩せてきた人がいる
  • 歳をとってもいきいきと過ごしたい

自分自身も日頃の生活で意識しつつ、身の回りにサルコペニアが疑われるような方がいらっしゃったら、対策などを伝えてあげましょう!


サルコペニアとは

サルコペニアの定義

改めて、サルコペニアとはなんでしょうか?

ギリシャ語で筋肉を意味する「sarx」と、喪失を意味する「penia」による造語です

加齢に伴い、骨格筋量が減少した状態

「骨格筋量低下 + 筋力・身体機能低下=サルコペニア」

と定義されることが多いです

European Working Group on Sarcopenia in Order Peaple(EWGSOP)やAsian Working Group for Sarcopenia(AWGS)など、世界の各ワーキンググループの定義がありますが、いずれの定義でも「骨格筋量」は必須項目です

日本老年医学会.改訂版健康長寿診療報ハンドブック.より引用

筋力については握力身体機能については歩行速度の測定が採用されています

EWGSOPでは、サルコペニアの病期分類まで定義されています

 低筋量のみ:プレサルコペニア

 低筋量+低筋量または低身体機能:サルコペニア

 低筋量+低筋量かつ低身体機能:重度サルコペニア

ここまでは、高齢者がとてもやせ細ってしまう、というイメージですが、その他に「サルコペニア肥満」もあります

サルコペニア肥満は、サルコペニア肥満もしくは体脂肪の増加を併せ持つ状態を指します

サルコペニア単独や肥満単独よりも予後が悪い病態とされています

サルコペニアの診断基準

サルコペニアの診断基準は、「四肢筋量」「筋力」「身体機能」

この3つで評価します

四肢筋量は、二重エネルギーX線吸収法:DXA法(dual energy X-ray absorptiometry)や、生体電気インピーダンス法:BIA法(bioelectrical impedance analysis)で評価します

一例ですがこのような機械を使って骨格筋量を測定します

左:DEXA骨密度測定装置
右:生体インピーダンス法体組成計

(MedicalExpoより引用)

四肢筋量を身長を2乗した値で割った数値が、カットオフ値に求められます

具体的には先ほどの表を参考にしてください

各ワーキンググループによって診断基準はさまざまです

サルコペニア肥満についても統一された診断基準はないですが、体脂肪の増加で肥満を定義することが推奨されています

「とはいっても骨格筋量を測定するのも大掛かりな機器が必要だから、簡単にはわからないよ!」

と思いますよね…

そこで簡易的なサルコペニアのスクリーニングテストがあります

①指輪っかテスト

 両手の親指と人差し指で輪っかを作り、ふくらはぎの一番膨らんでいる部分にあてます

 ふくらはぎよりも指輪っかのほうが大きい場合、「サルコペニアの可能性あり

東京大学 高齢社会総合研究機構.より引用

②片脚立位8秒未満

 左右どちらかの片足立ちが8秒未満の場合、「サルコペニア」の可能性あり

③5回立ち座りテスト10秒以上

 立って座る動作を5回行った時間が10秒以上の場合、「サルコペニア」の可能性あり


サルコペニアの対策

サルコペニアを予防する、もしくは治したい場合は、何をすればよいのでしょうか?

ここからはサルコペニアの対策を整理しましょう

サルコペニアを予防するには、「栄養」と「運動」がカギとなります

栄養

サルコペニアと栄養不足は密な関係があります

栄養障害によりサルコペニアを発症し、その結果として日常生活機能の低下がみられ、最悪の場合、要介護状態となってしまいます

それでは栄養をとるうえで、何を意識するのがよいのでしょうか?

サルコペニアは加齢に伴う骨格筋量の減少ですので、十分なたんぱく質の摂取が不可欠です

筋肉量の維持の視点からも、健康な高齢者に勧めるたんぱく質摂取量は、少なくとも1.0g/㎏体重/日の量は必要と言われています

50㎏の方であれば「1日50gのたんぱく質摂取」が必要ということですね

たんぱく質の多い食べ物といえば…

  • 肉類:鶏肉,豚肉 等
  • 魚類:さけ,いわし 等
  • 卵類:卵黄,卵白,ゆで卵 等
  • 大豆製品:豆腐,納豆 等
  • 乳製品:牛乳,ヨーグルト,チーズ 等

これらを普段の食事から意識して摂取することが大切です!

運動

筋肉をつける、ということでやはり運動は必要になります

サルコペニアの原因として、栄養障害や低栄養とならび、不活動は大きな要素です

運動が必要な理由をもう少し深堀するのに、サルコペニア・骨格筋量の低下のメカニズムから整理してみましょう

骨格筋量低下のメカニズム

筋肉量をつける・維持するには、食事でとったたんぱく質が分解・吸収されて、筋たんぱくの合成を行うことが必要です

しかし…

  • 筋たんぱくの合成に関与するホルモン(成長ホルモン、性ホルモン、ステロイドホルモン)は加齢に伴い減少
  • 筋たんぱくの分解に関与する物質(炎症性サイトカイン、酸化ストレス)は加齢に伴って増加

このように加齢に伴って、筋たんぱくの合成・分解のバランスが崩壊することが、骨格筋量低下を招く原因です

骨格筋量低下に対する運動の効果

通常の加齢でも筋たんぱくの分解が優位になってしまいます

だとすれば、筋たんぱくの合成を促進させて、分解を抑制すれば、骨格筋量の低下は防げるのではないか?

その効果が「運動」により得ることができます

運動には「抗炎症作用・抗酸化作用」があります

この作用により、筋たんぱくの分解に関与する炎症性サイトカイン酸化ストレスの抑制に働きます

また運動は、インスリン様成長因子(IGF-1)やデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)の血中濃度を増加させます

これらは、骨格筋の同化(筋たんぱく合成)に関与するホルモンで、筋たんぱくの合成を促進してくれます

つまり、運動により筋たんぱくの合成を促進させて分解を抑制ることができます

それでは実際にどのような運動が良いのでしょうか?

運動の内容について

筋量の増加を目指す場合は、一般的に高負荷での筋力トレーニングが望ましいといわれています

しかし、高齢者の場合には、低負荷でも十分な回数を実施すれば骨格筋機能の向上がみられるとの報告があります

筋肥大は総負荷量(強度・回数・セット数の総和)で決まるとも、いくつかの研究で報告されています

筋量が低下しているような高齢者が、いきなり高強度の運動を行うのにも無理がありますよね

以上のことから、低い強度でも高頻度で運動を行うことができれば良いということです

栄養の話に戻りますが、筋量の増大にはたんぱく質の摂取が不可欠です

もちろん運動を行いますので、エネルギーを生み出す糖質なども一定数必要になります

そのため、たんぱく質を十分に摂取できることを含めた栄養管理を、運動と平行して進めていくことが必要です


まとめ

今回の内容をまとめると、以下の通りです

  • サルコペニアは、加齢に伴い骨格筋量が低下した状態
  • そのままにしておくと要介護状態になってしまう
  • 骨格筋量や握力、歩行速度でサルコペニアか判断できる
  • 簡易的に指輪っかテストや片脚立位、5回立ち座りテストで確認できる
  • サルコペニアの予防には、栄養運動の両方の側面からアプローチする必要がある
  • 運動は低強度でも高頻度で行うとよい

いかがでしたでしょうか?

人はみな老化しますので、この記事をみているすべての人に関係のある話です

若いうちから運動の習慣などを身につけておくと、サルコペニアを予防できる可能性が大いにあがります

自分の未来に起こりうることを知っておくと、モチベーション維持にもつながります

少しでも興味を持っていただき、これからの生活で意識する部分が増えると嬉しいです


●参考文献

  • 日本サルコペニア・フレイル学会.サルコペニア診療ガイドライン2017年版
  • 日本老年医学会.改訂版 健康長寿診療ハンドブック(実地医家のための老年医学のエッセンス)
  • 医歯薬出版株式会社.予防理学療法学要論
  • 厚生労働省資料.たんぱく質
  • 庵野拓将.科学的に正しい筋トレ 最強の教科書

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